展覧会 2025年 Duet 二人展 押元一敏 染谷香理

郷さくら美術館 Duet / 二人展

押元一敏 / 染谷香理 ~静と動の交錯~

会期:2025年12月6日(土)- 2026年2月15日(日)

休館日:月曜日 (但し1/12は開館、1/13は振替休館) 、年末年始 (12/29-1/5)

開館時間:10:00 - 17:00(最終入館 16:30)

主催:郷さくら美術館

後援:一般社団法人めぐろ観光まちづくり協会

住所:東京都目黒区上目黒 1-7-13

展示作品

染谷香理《夜昼桜図》2020年
押元一敏《石舞台古墳》2023年
現代日本画を代表する人気画家 押元一敏と染谷香理による二人展。本展では、最前線で活躍する二人の日本画家が競演します。

― 染谷香理 ―

染谷香理《瞬刻の儀》2017年 足立美術館蔵
染谷香理《月ノ雫》2018年 足立美術館蔵
染谷香理《一葉の躊躇い》2015年 足立美術館蔵
染谷香理《巡》2018年 個人蔵
染谷香理《誰が袖-春》2016年
染谷香理《深層》2024年 LE METTÉ GALLERY蔵

― 押元一敏 ―

押元一敏《富士礼讃》2022年
押元一敏《蒼穹富士》2025年
押元一敏《静黙》2021年
押元一敏《那智大滝》2025年
押元一敏《山高神代桜》2022年
押元一敏《薫・乙姫桜》2014年

美術館からのごあいさつ

 このたび、郷さくら美術館では新たに二重奏を意味する「Duet」と題した二人展を開催いたします。
 「郷さくら美術館「Duet/二人展」押元一敏 / 染谷香理 ~静と動の交錯~」と題し、最前線で活躍しており、人気を博す二名の現代日本画家の二人展を開催いたします。
 押元一敏(1970年-)は、東京藝術大学デザイン科教授と並行して個展を中心に作品発表を続けており、取材に基づいて洗練された独自の表現を追求しています。自然を主題にした制作は、山水画の美しさと重ねて現代日本画の画材とともに再構成された美しい作品となっています。
 染谷香理(1977年-)は、東京藝術大学大学院で学び、院展では日本美術院特待として活躍しています。制作においては、江戸時代の日本画の技法材料の研究を踏まえて、伝統的な世界観である「ハレ」と「ケ」という時間軸を取り入れた人物画・花鳥画を描いています。華やかな着物や衣装を着た人物画を主題に、古き良き日本の美しさを現代的な解釈で表して、新たな日本美術の世界を構築した作品をお楽しみいただけます。
 現代日本画は、伝統にもとづきながら、それぞれの作家が独自の表現を追求しています。様々なアプローチから独自の画風を追求している対極的な両者の作品をどうぞご堪能ください。

展覧会によせて

 はじめて日本画の画材に触れてから、気づけば今年でちょうど三十年が経ちました。
 その間、私の関心やテーマは移ろいながらも、描こうとしてきたものは一貫して「感情のリアリズム」でした。目の前の実態のある景色ではなく、私自身の体験から湧き上がる喜びや哀しみ、怒りといった感情。それらを小さな叫びのように描き続けてきたように思います。押元一敏さんとの二人展に際し、私の作品が「動」とするならば、それは感情の蠢きなのかもしれません。
 日本画という、伝統とも非伝統とも言える不思議な画材との付き合いは、私にとってひとつの旅のようです。まだ答えはなく、終わりもなく、私自身も想像もできない方向へ続いていく旅。その道程を、多くの方に支えていただきながら歩み、今ここに作品を並べられています。
 この旅のこれまでと、これからに続く小さな兆しを、二人の作品の違いと共通点とともに、皆様にご高覧いただければ幸いです。
 最後に、この機会を与えてくださった方々、展覧会実現にご尽力いただいた皆様、そして作品を大切に保管・管理し、貸し出してくださった方々へ、心より御礼申し上げます。
染谷香理
 この度「二人展 Duet」の機会をくださり誠にありがとうございます。しかも染谷香理さんとご一緒させていただきとても光栄に思います。全くタイプの違う二人が行う展覧会とはどういったものなのか、はじめは想像ができずにいましたが、だからこそ面白いのではとこの日を楽しみにしておりました。テーマが「静と動」ということにも納得とともに私の作品から「静」を想起することを気づかされました。
 若い頃より常に試行錯誤を重ねていく過程で日本画材にいきつき、主題や表現方法などもさまざまに変化してきたのは、常に「自分らしい絵」を追求する連続だったように思います。このような過程を経て近頃では「素直に描くこと」が答えになるのではという考えに至りました。それこそが自分らしさであり、「静」なのかもしれません。ただ、「静」と同様に、作品では「不動」でもありたいと思います。ただそこにある存在、されど長い年月留まり続けた不動の強さのようなものに魅力を感じ、自分を重ねてそれらを題材に描いてきました。そうした風景を目の前にしたとき、心静かに時を過ごす感覚を私の作品からも受け取っていただければ幸いです。
押元一敏

略歴

― 押元一敏 ―


1970 千葉県生まれ
1997 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程デザイン専攻修了 修了作品デザイン賞
1998 三溪日本画賞展 大賞
2008 「ShinPA!!」 / おぶせミュージアム・中島千波館、佐藤美術館(~’20)
2012 Artist Group-風- 入賞 / 東京都美術館(’13、’15)
   個展「コレマデトコレカラ」 / おぶせミュージアム・中島千波館
2015 第3回 郷さくら美術館 桜花賞展 大賞
2019 「モリカラモリヘ~8人の作家と東京藝術大学デザインプロジェクト」 / 信州高遠美術館
2021 「FROM−それぞれの日本画−」 / 郷さくら美術館(以降毎年)
2023 「六大と現代日本画」 / 仁和寺
2025 「無窮の姿 日本画家が描く富士山展」 / 佐藤美術館
   「デザインとアートの狭間から」 / 佐藤美術館
現在 東京藝術大学教授

― 染谷香理 ―


1999 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業
2002 東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学保存修復修士課程修了
2011 再興院展 奨励賞(’13~18, ’23, ’25)
2013 春の院展 奨励賞(’14~16, ’18, 20, ’24)、外務大臣賞
2014 第2回 郷さくら美術館 桜花賞展 奨励賞
2015 前田青邨顕彰中村奨学会 中村賞
2016 菅楯彦大賞展 / 倉吉博物館
2017 第5回 郷さくら美術館 桜花賞展
2018 再興院展 足立美術館賞
2021 個展「a/synchronous」 / Sato Sakura Gallery New York
2023 再興院展 天心記念茨城賞
   日本画の新星たち / セレネ美術館

アトリエ風景

― 染谷香理 アトリエ ―

― 押元一敏 アトリエ ―

トーク・イベント

作家によるアーティスト・トークを下記の日程にて開催いたします。

・開催日 : 2025/12/6(土)14:00~
・開催日 : 2026/1/10(土)14:00~
・開催日 : 2026/2/7(土)14:00~

※今後のイベントにつきましては、随時公開いたします。
※事前予約は不要です。
※イベントは予告なく変更になる場合があります。予めご了承下さい。

作品人気投票の開催

会期中、館内では作品人気投票を開催しています。
お気に入りの作品がありましたら、館内で掲示している応募フォームより投票をお願いいたします。

・投票には、お手持ちのスマートフォンが必要となります。
・投票結果は、展覧会閉幕後にこちらのWEBサイトおよびDM等にてお知らせいたします。

皆様のご参加をお待ちしております。

出品リスト

準備中