このたび、郷さくら美術館では特別展「那波多目功一の世界 ―花と生命(いのち)へのまなざし―」を開催いたします。那波多目功一は1933年茨城県にて、日本画家・那波多目煌星の長男として誕生しました。1950年17歳の時に再興院展に初入選し、翌年には日展でも初入選を果たすなど、早くから日本画壇に実力が認められました。堅山南風が主催する「翠風会」に参加し、松尾敏男に師事しながら制作を続けました。写生に基づいて表現された自然の風景や花々は高く評価され、1990年には日本美術院同人に推挙されました。また、2000年には日本藝術院賞を受賞し、2002年には日本藝術院会員に就任するなど、現代日本画壇を代表する存在として、現在も精力的に制作を行っています。
本展は、那波多目功一の約75年にわたる画業を振り返る回顧展となります。学生時代に制作された初期の作品群、西洋絵画からの影響を受けて描かれた作品群、そして現在も続く写生に基づいて制作された国内外の風景や四季の花々を描いた作品群まで、多彩な作品をご紹介いたします。時の流れや空気さえも繊細に描写された優美な作品をご堪能ください。