展覧会 2024年 那波多目功一の世界展

郷さくら美術館 特別展

那波多目功一の世界 —花と生命へのまなざし—

会期:2024年12月7日(土)- 2025年2月24日(月)

休館日:月曜日 (但し、1/13・2/24は 開館、1/14は振替休館)

開館時間:10:00 - 17:00(最終入館 16:30)

主催:郷さくら美術館

後援:一般社団法人めぐろ観光まちづくり協会

住所:東京都目黒区上目黒 1-7-13

展示作品

―1階A展示室―
《さゞ波》1994年
《月輪》1990年 茨城県近代美術館蔵
《昇陽 (ディアナ神殿)》2006年
《寂》1995年
《惜春》2007年 個人蔵 (茨城県近代美術館寄託)
《昇陽菊図》1999年
―1階B展示室―
《松山》1950年 茨城県近代美術館蔵
《翔》1973年 茨城県近代美術館蔵
《はぐくみ》1973年 ひたちなか市蔵
《岩礁》1974年 ひたちなか市蔵
《白陽》1976年 ひたちなか市蔵
―3階展示室―
《待春》2009年 茨城県近代美術館蔵
《耀》1986年 茨城県近代美術館蔵
《廃園》1983年 茨城県近代美術館蔵
《寒牡丹》1985年 ひたちなか市蔵
《年年歳歳》2000年 ひたちなか市蔵
《明けゆく (アッシジ)》2001年

美術館からのごあいさつ

このたび、郷さくら美術館では特別展「那波多目功一の世界 ―花と生命(いのち)へのまなざし―」を開催いたします。那波多目功一は1933年茨城県にて、日本画家・那波多目煌星の長男として誕生しました。1950年17歳の時に再興院展に初入選し、翌年には日展でも初入選を果たすなど、早くから日本画壇に実力が認められました。堅山南風が主催する「翠風会」に参加し、松尾敏男に師事しながら制作を続けました。写生に基づいて表現された自然の風景や花々は高く評価され、1990年には日本美術院同人に推挙されました。また、2000年には日本藝術院賞を受賞し、2002年には日本藝術院会員に就任するなど、現代日本画壇を代表する存在として、現在も精力的に制作を行っています。
本展は、那波多目功一の約75年にわたる画業を振り返る回顧展となります。学生時代に制作された初期の作品群、西洋絵画からの影響を受けて描かれた作品群、そして現在も続く写生に基づいて制作された国内外の風景や四季の花々を描いた作品群まで、多彩な作品をご紹介いたします。時の流れや空気さえも繊細に描写された優美な作品をご堪能ください。

展覧会によせて

今回の展覧会には若いときの作品が数多く展示されております。失敗すると理解していても遮二無二突き進んでいた私がそこにおりました。なつかしく想い出しております。これまでに多くの失敗をくり返して来ました。数多くの失敗を重ねたおかげで、失敗を失敗だけに終らせず、その失敗を上手に生かす術を会得する事が出来る様になったかなと思っております。その作品の変遷を御覧いただく事が出来ると思います。
中島みゆき氏の「ヘッドライト・テールライト」の詩の一節に、(旅は未だ終らない)と云うのがあります。私は昨年卆寿を迎えました。私の旅は未だもう少しですが続きます。
御髙覧いただければ幸甚に存じます。
那波多目功一

那波多目功一 略歴

1933年 茨城県生まれ
1950年 再興第35回院展 初入選
1951年 第7回日展 初入選
1967年 日本美術院院友 推挙
1972年 恩師・松尾敏男と出会い、その勧めで堅山南風門下に入る
1977年 神奈川県・孝道山本仏殿の仏教画を委嘱された堅山南風のもと、 松尾敏男、齋藤満栄らとともに壁画制作に携わる
1979年 栃木県・那須神社楼門に、堅山南風監修のもと、父・煌星とともに雲竜図を揮毫
1981年 恩師・松尾敏男に「那波多目さんらしい絵を描きなさい」と助言を受けて、 徹底した写生をもとに身近な花や風景の制作に立ち返る
1983年  第38回春の院展 奨励賞(’84’85 外務大臣賞’86’89’90)
再興第68回院展 奨励賞(’85’87-’89)
1984年 日本美術院特待 推挙
再興第69回院展 日本美術院賞(大観賞)(’86’90)
1986年 第5回日本美術院奨学金(前田青邨賞) 授与
1990年 日本美術院同人 推挙
1992年 『NHK趣味百科 短歌』の表紙を制作(~’94)
1995年 再興第80回院展 文部大臣賞
1999年 再興第84回院展 内閣総理大臣賞
2000年 日本藝術院賞
2002年 日本藝術院会員 任命
2005年 四季折々に―那波多目功一日本画展(日本橋三越本店 その後全国を巡回)
2006年 日本美術院理事 就任
2008年 旭日中綬章受章
2015年 那波多目功一展 清雅なる画境(そごう美術館/神奈川県)
2017年 那波多目功一 日本画展(日本橋三越本店、名古屋栄三越)
2022年 米寿記念 那波多目功一展(日本橋三越本店)
2024年 令和6年度文化功労者 顕彰

現在  日本藝術院会員、日本美術院同人・代表理事

見どころ

本展では、那波多目功一の回顧展となり、院展初出品で初入選作品の《松山》や、ジョルジュ・ルオーの作品に影響を受けて制作された《寂光》、三度目の大観賞を受賞して同人になるきっかけとなった《月輪》、六義園に取材して大輪の牡丹を描いた《寂》などをご覧いただけます。
約75年という長きにわたる画業のなかで多様な角度から表現された生命へのまなざし。飽くなき探求心で表現される悠久の時のながれや光と空気の表現を心ゆくまでご堪能ください。

ギャラリー・トーク

学芸員によるギャラリー・トークを開催いたします。
・開催日 : 2024/12/21(土)14:00~
・開催日 : 2025/1/25(土)14:00~
・開催日 : 2025/2/15(土)14:00~

※事前予約は不要です。
※イベントは予告なく変更になる場合があります。予めご了承下さい。

音声ガイド

本展では、無料でご利用いただける音声ガイド(アプリ)を用意しています。
お手持ちのスマートフォンとイヤフォンにて作品解説をお聞きいただけます。

作品人気投票の開催

会期中、館内では作品人気投票を開催しています。
お気に入りの作品がありましたら、館内で掲示している応募フォームより投票をお願いいたします。

・投票には、お手持ちのスマートフォンが必要となります。
・投票結果は、展覧会閉幕後にこちらのWEBサイトおよびDM等にてお知らせいたします。

皆様のご参加をお待ちしております。

同時開催:「桜百景 vol.38」

満開の桜の作品だけを展示する「桜百景」は、当館へお越し頂いた方々に「お花見」を楽しんで頂くための展示室として、多くの方々よりご好評を頂いております。

「桜百景vol. 38」展は、特別展に合わせて那波多目功一の桜の屏風や、茨城県・日本美術院に関連した作家による桜の作品十数点を展示いたします。瑞々しい桜花の優美な風情をお楽しみください。

【出品作家】
齋藤満栄、仲 裕行、並木秀俊、他(五十音順)

展示作品

《春に憩う》2014年
《北城の春》2008年
《古都の春》2017年

出品リスト